私たちが届けたい「療育」とは?

ぷらいまりステップ管理者の香村です。

先日、大阪の中之島で行われた「すくすくの森相談室スペシャル講演会2023」という講演会に参加し、小児科専門医の佐野博之先生と、沖縄で作業療法士をされている仲間知穂さんのお話を聞いてきました。

特に、仲間さんは作業療法士であり、沖縄で実際に訪問支援をされている方で、保育所等訪問支援をしている私にとって、目からうろこのお話でした。

じつは仲間さんの著書「学校に作業療法を」を、以前に読んだことがあったのですが、その頃はまだ保育所等訪問支援の必要性を感じつつも何も行動を起こすことができませんでした。

仲間知穂 (著), こども相談支援センターゆいまわる (著)

今回、直接お話を聞き、訪問支援の取り組みの必要性や大切さを実感したのは言うまでもありませんが、もう一つ私が強く感じたことがありました。

それは「私たちが届けたい療育を保護者様とお子様に届けることの大切さ」です。

当たり前のことですが、しっかりと意識していないと、毎日のお子様と関わる時間や準備に必死になりすぎて、ふっと忘れてしまいそうになることもあります。

あらためて「私たちが届けたい療育とは何なのか?」と考えてみました。

お子様と保護者様が今「困った」や「しんどい」、「解決したい」や「相談したい」と感じることに対し、しっかりスタッフ間で話し合うこと。
 そして保護者様とお話しする時間を持ち、様々な可能性に向けて最大限の私たちができることを提案し、実践していくこと。

つまり、「今」に向き合い最大限の努力をする。

これこそが、私たちが届けたい療育だと再確認しました。

以前にも書きましたが、「できない理由を探さず、どうしたらできるのかを考える」という、とてもシンプルなことなのですが、そのためにはスタッフのマンパワーも必要ですし、保護者様のご協力も必要です。

きれいごとになるかもしれませんが、やはり、誰かが無理をして何とかするのではなく、みんなが笑顔で「取り組んでみてよかったね」と思える方向に進んでいきたいのです。

ですから、ぷらいまりステップの活動内容は、流動的な部分があります。

例えば、夏休みに行ったふむふむクラスの「ステップバイステップ」の取り組みもその一つです。

長期休みに療育の時間を少し伸ばして、生活面の強化に取り組んでみました。普段の1時間の指導の中では時間が足りずにできていなかったことに、しっかりと時間を割くことができました。

お子様からは「ずーっと長い時間にしてほしい」という声も聞かせていただき、スタッフ一同とてもうれしく思いました。

集団活動がしんどくなってきた場合には、お子様の様子が落ち着くまで少し時間を変更して、個別療育で対応させていただくということもあります。

環境を変えることでお子様の最高の笑顔が見られた時には、「必要な時期に必要な取り組みをする」ということの必要性や、その後のお子様の変化を目の当たりにします。

お子様一人一人に、そして保護者様に寄り添うことは、決して特別なことをするということではなく、「届けたい療育を必要なときに届ける」ということなんだという思いを、今回の仲間さんの講演を拝聴し、再確認することができました。

スタッフともこの気持ちを分かち合い、お子様にも保護者様にも、私たちの届けたい療育が届くよう、日々取り組んでいきたいと思います。