「ことばの発達」に必要なのは「ことばのビルを建てる」こと

ぷらいまりステップ管理者の香村です。

お子様の「ことばの発達」について、気にされている保護者様からいろいろな質問をいただきます。

・ことばが遅いんです。
・ことばが増えません。
・こちらの言っていることは理解できているのに、なかなか自分からは話しません。
・発音が不明瞭です。

などなど…。

ある一定の時期を過ぎて、ことばがなかなか出ないと心配になりますし、同年齢のお子様が話している姿を見ると焦りも出てしまいますよね。

20年以上前の本ですが、中川信子さんという言語聴覚士の方が書かれた「健診とことばの相談―1歳6か月児健診と3歳児健診を中心に」という本の中で、ことばの発達の段階を「ことばのビルを建てる」と説明されていて、今でもことばの発達を説明する考え方として数多く引用されています。

「ことばのビルを建てる」とは、ことばの発達が、1階、2階、3階と、ビルを建設していくように積み上げられていくという過程を表現した意味なのですが、ことばが発達していくプロセスやそのために必要と考えられていることが図式化されてとても分かりやすく書かれています。

お子様のことばが出ないとき、親としてはつい「言わせたい」とか「教えたい」と思って、そのことばを繰り返し聞かせることで覚えたり発音できるのではないかと思いがちです。

しかし、中川さんは「ことばは全体発達の一部」ととらえ、全体発達に伴って、ことばの力、ことばの基礎となる力が育つと説明されています。

ことばの育ちにはまず、規則正しい生活やからだづくり、心育て、遊びの中で手を使うことを通じて情緒の発達があります。

その上で、ことばの育ちを促すために必要なこととして以下のことを挙げておられます。

ことばの育ちを促すために必要なこと

①わかる事柄やわかることばを増やすためにはいろいろな経験を増やす

②実体験に即したことばを添える。そのためにお子様と経験とことばを共有する

ことばの表出には、きちんとプロセスを踏んでいくことが大切なんですね。

これをぷらいまりステップの療育に置き換えて考えてみると…

きらきらクラスでは保護者様と、わくわくクラスでは指導員や友達と一緒に、様々な体験を共有し、身近な大人がその時の体験や気持ちをその瞬間にことばで表現することで、状況とことばを合わせていく(結び付けていく)ことになります。

ふむふむクラスではこの経験をもとに、ことばによってできる事柄が増えていく、ことばで友達や指導員とわかりあえること、つまり、自分でことばをつかえるようになるということにつながっていきます。

ぷらいまりステップには言語聴覚士はいませんが、スタッフがお子様の今の発達段階を見極め、丁寧に関わることを心がけています。

最初は反応が薄くても、伝えたいという意欲の芽生えを表情やしぐさ、発声から読み取りながら繰り返し根気よく関わっていきます。

そして、ことばのビルが建設されていく過程や喜びを、お子様や保護者様と共感させていただけることをスタッフ一同心から願っています。