保育所等訪問支援とは

「保育所等訪問支援」は、お子様が普段通っている保育所や幼稚園などの「集団生活の場」に、都道府県から指定を受けた事業所のスタッフが出向いて、対象となるお子様等の支援を行う、児童福祉法に基づく公的な福祉サービスです。

児童福祉法第6条の2の2第6項
この法律で、保育所等訪問支援とは、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるものに通う障害児につき、当該施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することをいう。

なぜ保育所等訪問支援が必要なの?

療育事業所でできていることが園生活でもできているとは限らない

「児童発達支援事業所」では、その子一人ひとりに合わせた発達支援を受けることができます。

手厚い支援を受けられるというメリットがある一方で、子供にとっては「特別な場所」で提供されるサービスです。

特別な空間で、その子のためだけに行われた支援によって、事業所ではできるようになったことが、本来の生活の場である集団生活の中で活かせない場合があります。

他にも、事業所での支援には以下のような課題もあります。

事業所での支援における課題

①発達上の課題は保育所等の「集団生活の場」で気づかれることが多い。
②事業所ではできるようになったことが、集団生活の場面ではできない場合や、不適応を起こすことがある。
③事業所での発達支援を終了して、保育所等へ移行した後のフォローアップが不十分。
④保育所等の職員によって、子供の個別性からくる支援の困難さがある一方で、保護者が保育所等に対してもどかしさを感じたり、保育所等と保護者の間にあつれきが生じてしまう場合がある。

保育所等訪問支援のメリット

保育所等訪問支援は、上記の課題を解消するために、子育て施策や実際の生活集団の現場に入り込んで行う「アウトリーチ型」の発達支援事業で、以下のようなメリットがあります。

保育所等訪問支援のメリット

①集団場面における発達上の課題に気づきやすい
②お子様の特性に合わせたオーダーメイドな専門的支援ができる
③事業所で身につけたことを集団生活で活かせているかを確認することができる
④進級や進学の際に、具体的な支援方法を引き継ぐことができる
⑤訪問先の職員と保護者様の「橋渡し」ができる

このように、お子様や保護者、そして保育所等のコミュニティとの「橋渡し」を行うことができる「保育所等訪問支援」は、療育事業所で行う支援とは別の役割を果たすため、お子様にとって必要な支援であると考えています。

訪問できるのは保育所だけではありません

「保育所等訪問支援」という名前から「保育所」だけを想像しがちですが、実際には以下のようなさまざまなお子様の『集団生活の場』に訪問することが可能です。

訪問できる集団生活の場の例

    ①保育所、幼稚園、認定こども園
    ②小学校、中学校、高等学校、支援学校
    ③放課後等デイサービス、放課後等児童クラブ(学童)
    ④乳児院、児童養護施設   …など

    ぷらいまりステップの保育所等訪問支援

    具体的には、当事業所の児童指導員や保育士が、お子様が普段集団活動をしている保育園や幼稚園に訪問し、集団の中での様子を見ながら、現状の課題を検討し、お子様本人への療育や、保育所や幼稚園の先生方と相談の上、場合によっては先生方に対して支援方法についてアドバイスや情報共有をさせていただきます。

    ①ご利用対象者

    保育所等訪問支援の対象者は「集団生活に専門支援が必要なお子様」となります。

    ぷらいまりステップの保育所等訪問支援は、当分の間、当事業所の「児童発達支援」のご利用者様とさせていただきます。

    ②支援内容

    ①観察

    当事業所のスタッフが、お子様の通園する保育所や幼稚園など、施設に訪問し、実際の集団生活の中でのお子様の様子を「観察」します。

    事業所ではできているのに、集団生活の中でうまくできていないところ、そして困っていることやその原因について分析をします。

    ②直接支援

    保育所等の施設の中でのお子様の困りごとに対して「直接」働きかけます。

    訪問先の施設の中で、施設の職員ではない私達が直接支援をすることは、施設の理解と先生方との信頼関係が特に大切になります。

    ③間接支援

    保育園等の先生方は1人でクラスの多くお子様を見なくてはいけないため本当に大変です。そんな先生方に対して、お子様の特性や困った場面ごとの対処方法など、事業所での支援を通じて得られた情報を共有し、また必要に応じてアドバイスを行います。

    ④家庭連携

    保護者様に対して、保育所等での支援の内容や共有した情報について報告をすることで、保育所等とご家庭の「橋渡し役」となり、お子様の成長を家庭、事業所、施設などみんなでサポートします。

    ③保護者へのフィードバックを大切にします

    集団生活を送るお子様の姿を見せていただき、通所事業所では発見できなかった課題などについて検討を行い、集団の中でより効果的な支援を検討します。

    訪問先で発見した課題や、保育所等と情報共有した内容を、保護者様へフィードバックすることで、保護者、保育所等、事業所が同じ情報を共有できるため、お子様にとってより良い支援を行うことができるようになります。

    ④保育所等の先生方への支援を大切にします

    実際の集団生活の場では、多くのお子様を少ない人数の保育士や幼稚園教諭が担当しなければなりません。

    集団をまとめて行くのは本当に大変なことで、その中で一人ひとりに十分に寄り添えないケースも出てきます。

    対象児童への集団での支援方法について、児童発達支援事業所で支援してきた経験などをもとに、先生方に対しても対処法などを支援・アドバイスをさせていただきます。

    事業所、集団生活の場、家庭とお子様を取り巻く環境全体を考えて、一人ひとりのお子様を支援していけるよう努めていきます。

    ご利用を希望される方へ

    ご利用を希望される方や、保育所等訪問支援について詳しくお話を聞いてみたい方は、お電話もしくはメールにてお問い合わせください。